政策と活動

*大宮区*桜木駐車場に新たな商業施設建設計画

桜木駐車場用地は大宮駅西口のほど近くにある約 2.7ヘクタール の公有地です。暫定的に市営駐車場として利用され、新型コロナワクチンの集団接種会場などにも活用されてきました。

 

市は以前からこの土地について、官民連携による「東日本の対流拠点形成に資する機能の導入」の実現と周辺まちづくりとの連携を図ることを目的に、民間事業者が主体となる用地活用事業を推進する、としてきました。

 

2016年時点では貸付けにより民設民営のMICE(マイス)施設(*)誘致が目指されていましたが、サウンディング型市場調査で業者に意見を聞くなかで実現が難しいという結果になり、計画が変更された経緯があります。しかしその後も、民間事業者から提案を募る公募式プロポーザル方式での事業化が進められてきました。

 

9月議会での報告によると、実施した公募について、3者からの提案があり、「さいたま市営桜木駐車場用地活用事業者選定委員会」において審査した結果が市長に答申され、この答申を踏まえて、優先交渉権者が大和ハウス、JR東日本グループに決定しました。提案された内容は、用地2.7ヘクタールのうち1.8ヘクタールの土地に商業施設、フィットネス施設、オフィスなどの複合施設を建設しようとするものです。

 

5つの建物を含み、それぞれは2〜5階建てで、相互に回廊で結ばれる構想になっています。貸付料は年1億3800万円、貸付期間は35年です。

 

まちづくり委員会で報告を受けた金子あきよ市議は「党市議団はこれまで、周辺が住宅密集地域であることから、事業を進めるに際しては近隣の住民の要望に沿った計画とすること、防災機能を持った計画にしていくことなどを求めてきた。選定委員会の附帯意見のなかにも・地域の方々と十分な協議をおこない事業にとりくむこと・周辺の住環境に十分配慮した計画とすること・市が整備する広場との連携を深めた計画とすること、などが明記されている。周辺地区のまちづくりの推進とともに、今後の計画進行に住民の声をいかしていくことが必要だ」と話しました。

 

*MICEとは、会議(Meeting)、報奨・研修旅行(Incentive Travel)、国際会議(Convention)、展示会・見本市、イベント(Exhibition/Event)の頭文字。多くの集客交流が見込まれるビジネスイベントなどの総称。

公共交通の助成金 政令市も対象にせよ ~国会へ陳情~

国への予算要望の懇談に参加するとば市議

11月9日、日本共産党埼玉県議団と日本共産党さいたま市議団との連名で、来年度の政府の施策と予算編成に対する予算要望書を提出し、各省庁と懇談をおこないました。党市議団からとばめぐみ市議が参加し、塩川てつや衆議院議員も同席しました。

 

要望では、政治のおおもとからの転換を訴えつつ、県民が切実に願う医療や福祉、介護、教育等の充実や負担軽減を掲げ、118項目の要望のうち、暮らしを底上げする14項目について実効性ある対策を求めました。

 

厚生労働省には、国が国民健康保険税率の統一を都道府県に求めていることについて「保険税統一の押しつけをやめ、国の責任で財政措置をとらなければ、医療を受けられず命を落とすことにもなりかねない」と厳しく指摘。厚労省は「保険税の統一は都道府県と市町村がよく議論して理解を得ながら進める必要がある」とし、あくまで統一の方向を崩しませんでした。「猛暑から命を守るために生活保護世帯に夏季加算の新設」の要望に対しては「生活保護世帯の光熱費が特別高くなっているというエビデンス(証拠)はない」という冷たい答弁。塩川衆議院議員が「それは電気代が高くなることを恐れて我慢しているからだ。命にかかわる」と指摘しました。

 

文部科学省には「県立高校のタブレットは国庫負担とすること」や「現在の義務教育におけるタブレットの支給については入替時にも全額国庫負担とすること」を求め、文科省は政府の経済対策に盛り込まれるのではないかと示唆。

 

とば市議は国土交通省に対して「地域公共交通確保維持事業の助成金は政令市と中核市を対象外としていることがコミバスやデマンド交通の拡充を妨げている。政令市における都市化は一部に集中し行政区間に大きな格差を生み出し、政令市のなかに過疎地を生み出している。政令市・中核市も対象とすべき」と強く求め、国交省は「実態を調査して検討する」と答弁しました。

新市庁舎移転事業費 221億円から400億円へ大幅増

さいたま市がすすめる、さいたま新都心への市庁舎移転計画。11月8日、新庁舎整備等基本計画(素案)が発表されました。これまでの「基本構想」段階では議会や市民に対して移転事業費は約221億円と説明していました。

 

それが今回の基本計画の概算で事業費が約400億円に増加。市は、その要因を物価高騰などの単価増と面積増による本体工事費(調査・設計費、建設工事費)の増加、 当初見込むことができなかった外構工事等(その他工事費、 移転費)の追加としていますが、説明の段階よりも試算が大幅に増加しているのはそれ自体が問題です。

 

また、別棟で計画中の「民間機能」には「オフィス、商業店舗、宿泊施設などの可能性を引き続き検討」するとしています。  豪華な新庁舎にならないか、実際にかかる事業費がどこまで膨れ上がるのか、懸念されます。

 

今後も、市民の目線で厳しくチェックしていきます。

池田めぐみの日々発見! 意思決定の場に 女性を増やそう

田代美江子さん(埼玉大学教授)のお話を聞く

さいたま市議会では、春の選挙後、女性議員が60人中16人に増え、女性活躍推進議員連盟が立ち上がりました。また、女性の活躍を推進する議員連絡会も「ミモザの会」として活動を発展させています。会派をこえた学習会も精力的におこなわれ、党市議団の議員も積極的に参加しています。

 

10月30日、萩原なつ子さん(独立行政法人国立女性教育会館理事長)を講師に迎えた「男女共同参画社会のあり方について」の講演(女性議連主催)は、意思決定の場に男女両性がいることの重要性のお話でした。日本国憲法には「男女平等」が明記されているのに、社会規範、社会構造が変わっていない現実。日本のジェンダーギャップ指数の世界125位は、とくに政治の分野で低く、世界138位になっています。「女性らしく」や「女性ならでは」という言葉ではなく、「女性の経験に基づく視点」で新しい公共について考えること。そのためにデフォルト(初期設定)を変えていこうという提案でした。

 

また、萩原さんが関わった「としま100人女子会」についても報告がありました。2014年、「消滅可能性都市」に「豊島区」があげられたことから、このままではいけない!と豊島区に住む一般の女性たちが立ち上がった実践の話です。女性が真ん中で話し合いをすると、大きな開発よりも、子育て、地域、防災、公園、下町らしさなど、本当に大切なものが見えてきました。

 

意識の中に沁み込んでいるアンコンシャスバイアス(無意識の思い込み)。日々、意識を変えることが必要と痛感しました。

 

性は人権であり生き方である

 

11月2日、田代美江子さん(埼玉大学教授)を迎えた「ジェンダー平等と性の多様性について」の講演(ミモザの会主催)では、包括的性教育の可能性がテーマでした。性の話をするとき、秘密で、はずかしいというネガティブなイメージも大きいが、「性というのは、人権であり、生き方である」という認識を持つことで、性をポジティブにとらえることができる。性を学ぶことで、思いやりのある社会を構築することができる、というお話が印象的でした。学習会には教育委員会のみなさんも出席されていたので、いじめ防止にもつながる包括的性教育について、さいたま市でも、大切にすすめていきたいと思いました。

 

女性にやさしいまちは、子どもにも、高齢者にも、障がい者や、外国人にも、もちろん男性にも、やさしいまちになります。党派をこえて実現できること、とりくんでいきます。

開発優先で子どもたちは? 都内小学校を視察

9月議会でさいたま市教育委員会が大宮小学校(大宮区)の方向性について問われた際、同校周辺が「大宮駅前にぎわい拠点と位置付けられており、小学校のあり方について、将来を見据え、さまざまな案を検討している」と答弁しました。その事例として東京都中央区立城東小学校を教育委員会が視察したことも明らかになりました。これを受けて11月2日に金子あきよ、久保みき、松村としおの各市議が城東小学校を視察して実態を確認しました。

 

同校は東京駅から徒歩5分のところにありますが、学校敷地を含む地域で再開発がおこなわれ、245mの再開発ビルに組み込まれるかたちで建て替えられました。

 

同校は再開発ビルの出入り口とは離れた1階部分に玄関を持ち、4階+地下のなかに教室や体育館、「校庭」が入っています。各学年最大2クラスまでで全体は小規模です。教室は通常どおりですが、ビルに組み込まれていることから全体として窓が少なく、子どもの声が再開発ビルに漏れないよう防音対策がほどこされています。校庭は50m走の直線コースと70mトラックに簡素な遊具がわずかにあるばかりで、音漏れ対策として屋根がついています。さらに再開発ビルに合わせた建築のため4階建てでありながら7階相当の高さになっていると説明もありました。

 

全体として子どもの成長・発達を保障することよりも再開発を優先させていることがうかがえました。

 

視察した松村市議は「さいたま市も駅前再開発を次々と進め、子どもたちが後回しになってきた。大宮小学校が再開発の犠牲になってはならない」と話しました。

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