政策と活動

川西市・子どもの人権オンブズパーソン 子どもの権利条約の実践を視察

京都市立洛風中学校の廊下の様子。木のぬくもりが伝わる

5月19日、1999年に日本で最初の子どものための独立した権利擁護機関を設置した兵庫県川西市「子どもの人権オンブズパーソン」を、党市議団から、とばめぐみ、たけこし連、池田めぐみの各市議が視察しました。

 

1990年代、学校でのいじめの広がりに心を痛めた川西市は、調査実施に踏み出しました。クラスで1~2人が死を考えるほどのいじめを経験していることが判明し、「子どもを助けたい」と、1998年12月、市の条例で「子どもの人権オンブズパーソン」を制定。「子どもの話を親身になって聴くこと」をもっとも大切にし「子どもの意見表明権の保障」を通じて「子どもの最善の利益を確保する」という、子どもの権利条約の実践活動がはじまります。弁護士や研究者等のオンブズパーソン3人、調査相談員4人、弁護士、研究者、心理士等の調査相談専門員11人という手厚い体制で、年間3400万円の予算を確保しています。

 

事務局からは「子どもが救済されるには、善意のおとなの存在だけでは無理。自分が問題解決の主人公であると実感できたとき、子どもの権利回復はより積極的にすすむ」「子どもの救済を〝法的権利、請求権、保障、公正、平等、自由〟という視点からとらえ、子どもの最善の利益は、子どもの気持ち・意見を聴くことで具体化される」「子どもの声をしっかり聴いてくれるおとなを増やすことが課題」等、経過や理念、実践等の説明がありました。毎年、市内の小学3年生は市役所見学の際にオンブズの事務局を訪れ、小学生の8割がオンブズの存在を知っており、中学生の職業体験でも役所を訪れる際にはオンブズの活動にも参加。「相談」が子どもたちの身近なものになっています。

 

ひとりの子どもの相談に相談員が耳を傾ける様子や、オンブズパーソンや専門家を交えた数人でのケース会議が動画を通して紹介され、とば市議は「とことん子どもに寄り添っている。オンブズによって個人的な問題を社会的な課題へと押しあげられ、子どもも社会も成長させている。さいたま市でもぜひ提案したい」と感想を述べました。

 

 

京都市立洛風中学校を視察

子どもを真ん中にした居場所づくり

 

 

続いて、京都市にある不登校児童生徒を対象とした特別学校「京都市立洛風中学校」(2004年開校)を視察しました。

 

洛風中学校の2025年度の生徒数は45名(1年生7名、2年生14名、3年生24名)、生徒は「ウィング」という名前の縦割りの生活グループに所属していて、異年齢の仲間と交流しながら成長します。全体の教員数は20名ほど。担任は、ひとつのウィングに3人という手厚さです。洛風中学校の教育では、徹底的に親身に関わってくれる大人との出会いを大切にしていますが、「困りに寄り添うが、困るまで待つ、困るまで手を出さない」のもポイントと、芦田美香校長は懇談のなかで話していました。

 

洛風学校は、中学校の旧校舎を改築し使っていますが、木の机や椅子、木の表札やロッカーなど、木のぬくもりや、風通しのよさを重視しています。年間総授業数も770時間で、一般的な学校の7割程度。昼食休憩時間も1時間10分確保し、ゆっくり過ごすことができます。

 

一方で、さいたま市は「学びの多様化学校」を2026年4月に開校予定ですが、担任はおらず、授業はひとりひとりがオンラインで受け、登校があるときも給食は実施せず、子どもたちは校庭も体育館もない施設に通う予定です。

 

池田市議は、「さいたま市の学びの多様化学校は、教育研究所内や教育相談室内に設けるため校舎はなく、通いたくなければメタバース(インターネット上の3次元の仮想空間)を活用してくださいというスタンス。不登校児童生徒を迎え入れるための居場所づくりは、京都市立洛風中学校のように子どもを真ん中にして考えるべき」と話しました。党市議団では、引き続き、市内の不登校児童生徒はもちろん、一般的な学校に通いながらもつらい思いをしている子どもたちも守る立場で、論戦していきます。

健康福祉センター東楽園「ゆーぱる ひざこ」OPEN

「ゆーぱるひざこ」のホームページより

見沼区にある「老人福祉センター東楽園」は、健康維持・増進や生きがいづくりの場として、シニア世代を含むあらゆる世代が広く利用できる施設「ゆーぱる ひざこ(健康福祉センター東楽園)」として生まれ変わり、4月にオープンしました。落成式にはとばめぐみ、池田めぐみの両市議が参加しました。

 

 

「ゆーぱる ひざこ」は、「お湯の『ゆ』と遊ぶの『ゆう』をかけて、仲間『ぱる(Pal)』が仲よくつどう場所が、さいたま市見沼区膝子にできるという意味を込めた名称」だそうです。施設は、25m温水プール、フィットネスルーム、屋内運動場などの運動施設に加え、集会室や共用スペースも充実しており、地域サークルの活動や各種イベントにも利用可能です。健康づくりだけでなく、人と人をつなぐ交流の場としても期待されており、現地への無料バスは5ルート運行されています。

 

 

一方で、旧東楽園では無料だった高齢者の利用が有料となりました。さらに、お弁当や食料品の持ち込みが禁止となったことに対して、「レストランのみではなく持ち込みできるようにしてほしい」という声も寄せられています。

見沼区*危険な交差点に信号機をつけて

さいたま市へ要望する「つくる会」のみなさんととば市議(左)

見沼区大谷中学校通りのドラッグストア「セイムス」前の危険な交差点について、地域住民が最初に信号機設置を求めたのは2018年。2023年には「住みよい見沼区をつくる会」(以下、つくる会)がとばめぐみ市議とともに655筆の署名を埼玉県警に提出しました。県警は「設置条件5つのうち4つは満たしており、歩行者の横断待ちスペースが確保できれば設置可能」と回答し、市と用地確保を協議中でした。

 

 

ところが今年2月7日にこの交差点で、横断中の高齢女性が車にはねられ死亡する事故が発生。つくる会ととば市議は2月27日、「緊急に信号設置を求める要望書」をあらためて県警へ提出しました。懇談では事故への悲しみと怒り、交差点の危険性や住民の不安が語られました。県警は「用地買収を急ぐよう市に働きかけている」と回答しました。

 

 

つくる会は市への緊急署名活動も開始。事故現場近くのスーパー前での署名活動には多くの買い物客が応じました。同時期、被害者の住んでいた自治会も同趣旨の署名にとりくみ、つくる会と合同で925筆を提出。市は「今年度中に用地買収、来年度に信号機設置の方向で予算を確保し、努力中」と回答しました。

 

 

なお、信号機設置までの安全対策として区画線の補修、ドット線追加が完了し、注意喚起の電柱幕準備が進められています。

浦和区*本太坂下交差点が数年後に閉じる?!

対象の区域

「本太坂下交差点が、数年後に閉じる」という情報はご存知でしょうか。

 

現在、本太坂下交差点は6差路です。今後、国道463号道場三室線本太工区(新浦和橋から駒場運動公園交差点)が2車線から4車線になる際に、渋滞緩和のため、本太坂下交差点は閉じて、463号バイパスと旧463号の2本に分離するという案が市から公表されました。

 

 

沿道住民への説明会が3月に開催され、池田めぐみ市議が参加しました。市からは、7つある信号が5つになること、防音壁は撤去すること、設計に2年、工事に7年かかり供用開始は2034年度以降になることなどが説明されました。説明会の参加者からは、目の前の信号機をなくさないでほしいという声や、本太小学校の通学への影響、家の出入りへの影響が心配されるという声、明らかに騒音や振動が増えるのに防音壁をなくすのはおかしいという意見もありました。

 

 

市の道路計画課からは、道場三室線の渋滞緩和のために信号を減らすこと、騒音については昼間63㏈の騒音(現況測定値)が、4車線化しても将来的な予測値は69㏈で、環境基本法の70㏈よりも低いので防音壁は撤去すると説明されましたが、担当者に確認すると防音壁を設置する場所がないわけではない、とのことでした。渋滞緩和への期待の声がある一方、今後どのような影響がでるか、住民のみなさんのご不安やご意見を広くお聞きしながら、市議団としても対応していきます。

進む「産業集積拠点」整備事業 その問題点は?

緑区浦和IC付近に建てられた産業集積拠点

これまで、さいたま市が市内の高速道路や幹線道路の沿線を中心に、工場、物流施設、研究開発施設などの企業誘致の「受け皿」とする「産業集積拠点」の整備事業を進めていることについてお知らせしてきました(市議団ニュースNo.1024)。2018年までに選定した候補地区のうち、①の浦和I C西側地区では、大型物流センターが建設され、今年8月からの稼働が予定されています(写真)。2024年11月に、さらに⑦~⑩の4カ所の候補地が追加されました。担当する産業展開推進課は「企業の立地ニーズは非常に高く、切れ目なく整備を推進していく」として候補地を追加、10カ所に増やしたと予算委員会で説明しています。これまでに市の予算を4億円もかけて調査などをおこないながら事業を進めており、企業誘致に前のめりです。

 

 

④の宮前地区については、3月18日の都市計画審議会で、土地区画整理事業の変更などが決定されました。この審議会に委員として参加した金子あきよ市議は、都市計画法上の手続きとしておこなわれた公聴会、計画案縦覧に対する意見書のなかで、少なくない住民から懸念や計画に反対する意見が示されていたことから、近隣住民にとっての居住環境が企業活動によって甚大な影響を受ける可能性について指摘。計画変更には同意できないと態度表明しました。計画変更に賛成した他の委員からも「企業活動による住空間への影響を緩衝するしくみを考えるべきではないか」「緑地保全や住民意見の尊重に配慮した進め方をするべきだ」との発言がありました。

 

 

金子市議は「産業集積拠点整備は多くの場合、市の貴重な緑地、自然環境を犠牲にして進められる。地権者だけでなく、近隣住民に対する説明と合意形成が求められる。今後の事業の進捗に際して、住民にとっての不利益が生じないか、注視していきたい」と話しました。

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