政策と活動

開発優先で子どもたちは? 都内小学校を視察

9月議会でさいたま市教育委員会が大宮小学校(大宮区)の方向性について問われた際、同校周辺が「大宮駅前にぎわい拠点と位置付けられており、小学校のあり方について、将来を見据え、さまざまな案を検討している」と答弁しました。その事例として東京都中央区立城東小学校を教育委員会が視察したことも明らかになりました。これを受けて11月2日に金子あきよ、久保みき、松村としおの各市議が城東小学校を視察して実態を確認しました。

 

同校は東京駅から徒歩5分のところにありますが、学校敷地を含む地域で再開発がおこなわれ、245mの再開発ビルに組み込まれるかたちで建て替えられました。

 

同校は再開発ビルの出入り口とは離れた1階部分に玄関を持ち、4階+地下のなかに教室や体育館、「校庭」が入っています。各学年最大2クラスまでで全体は小規模です。教室は通常どおりですが、ビルに組み込まれていることから全体として窓が少なく、子どもの声が再開発ビルに漏れないよう防音対策がほどこされています。校庭は50m走の直線コースと70mトラックに簡素な遊具がわずかにあるばかりで、音漏れ対策として屋根がついています。さらに再開発ビルに合わせた建築のため4階建てでありながら7階相当の高さになっていると説明もありました。

 

全体として子どもの成長・発達を保障することよりも再開発を優先させていることがうかがえました。

 

視察した松村市議は「さいたま市も駅前再開発を次々と進め、子どもたちが後回しになってきた。大宮小学校が再開発の犠牲になってはならない」と話しました。

さいたま市議会条例検討プロジェクトチーム ネット上の誹謗中傷等対策に 超党派でとりくむ

ガラス張りの電話ブース

近年、インターネット上の書き込みによる個人情報の流出や、誹謗中傷等の深刻な被害が社会問題となっていることから、さいたま市議会では、党派をこえてとりくむ「インターネット上の誹謗中傷等対策に関する条例」検討プロジェクトチームを設置しました。党市議団から池田めぐみ市議がメンバーとして参加し、他市の条例を学び、大学教授の講義や、さいたま市のいじめ防止シンポジウムに参加し、ネット上での問題点の聞き取りなどをおこなってきました。

 

誹謗中傷対策については、2020年に群馬県が日本ではじめて条例を制定し、相談窓口を設置しています。先進事例を学ぶため、11月2日、プロジェクトチームで群馬県前橋市にある「公益社団法人被害者支援センターすてっぷぐんま」を視察し、池田市議も参加しました。

 

2022年度から県の委託を受けている「すてっぷぐんま」は、現在、常勤・非常勤スタッフ含めて、20人体制。「犯罪被害者支援」「性被害者支援」「インターネット上の誹謗中傷相談窓口」の3つがおもな事業で、誹謗中傷について、メールや電話で相談を受けつけています。これまでの相談件数は、電話370件、メール513件、面談38件。圧倒的にX(旧Twitter)でのトラブルが多く、名誉棄損やネットいじめ、プライバシー侵害などの相談に対して、弁護士や警察、教育委員会と連携しながら対応してきたお話をうかがいました。

 

施設内には、ガラス張りの電話ブースも設置されています。1件の相談につき2人体制で対応することで相談員が複数で相談にあたり、専門知識を補完したり、研修につながっているとのことでした。

 

池田市議は「理念条例で終わらせてしまうのではなく、相談窓口をつくり、広くお知らせすること。相談が増えてもそれは成果ではなく、インターネット上での誹謗中傷が減少するよう、どうインターネットリテラシーを向上していくか。さいたま市民のためになる条例づくりにむけてとりくむ」と話しました。

先行自治体の千葉市を視察 放課後子ども居場所事業の課題は?

市役所の職員から話を聞く(左から2人目から)久保市議、金子市議

「さいたま市放課後子ども居場所事業」は、来年度から4校でのモデル事業がスタートします。先行自治体の実態把握のため、11月2日、久保みき、金子あきよの両市議が、千葉市役所を訪れ、担当職員から話を聞きました。

 

もともと千葉市では全小学校内に公設民営の「子どもルーム(放課後児童クラブ)」が設置されていましたが、2017年以降、「旧放課後子ども教室(さいたま市のチャレンジスクールに相当)」と「子どもルーム」の一体化によるアフタースクール整備がすすめられています。アフタースクールは2023年4月時点で107校中34校に設置。2030年までに約9割の学校への整備が計画されています。登録児童数は全学年では3〜4割、1年生に限定すると6割〜7割です。その結果、「子どもルーム」の待機児童数は2018年の638人から2023年の71人へと大幅に減少しました。

 

計画的な移行がすすめられているようですが、アフタースクールと学校との連携が課題です。「学校教職員の負担がまったくないと言ったら嘘になる。負担を最小限にとどめるための配慮が大事」(生涯学習振興課長)として、施設使用に際してのルールや責任の所在、連絡調整の方法などについての「運営マニュアル」を紹介されました。また、整備が急速に進むことで人材確保が困難になることも予想されています。そのなかで長年かけて培われてきた「子どもルーム」の実績や保育内容のよさをどう残すか、ということも課題となっています。

 

視察を終えた金子市議は「全校に公設の『子どもルーム』がある千葉市と、放課後児童クラブの4分の3を民設に頼っている本市とでは、一体化事業への移行の条件が大きく異なる。視察によって、本市の計画の拙速さをあらためて感じた。一体化事業のなかでプログラムを運営するには、民間事業者のノウハウが必要になる実態も分かった。子どもの気持ちが大切にされているのか、利用者の経済的負担が大きくならないか、なども懸念される。今後、議会でこうした点を追及していきたい」と話しました。

2024年度予算要望を提出 物価高のいまこそ 市民応援の予算に

党市議団は来年度予算に対する要望書を市長に提出しました。

 

財政の基本的な使い方から教育・子育て、福祉やまちづくり、地域要求や国・県に市から要望するよう求める事項など市政全般736項目にわたるものです。とりわけ、物価高騰が続く状況で市民生活や地域経済は厳しいものがあり、負担軽減や業者支援の充実を求めるものとなっています。

 

市は来年度予算は322億円不足と強調し、マスコミも大々的に報道しています。 2022年度決算で明らかになった市の財政状況は、約60億円の黒字を出し、過去最高895億円の基金をため込んでいます。財政の使い方を市民生活優先に切りかえることが強く求められています。大型のハコモノ建設・開発を次々推進することで建設債(公共工事に係る市の借金)が年々増加していることが「財政不足」の大きな原因です。この財政構造を見直せばくらし・地域経済優先の党市議団の提案は実現可能です。

 

予算要望提出にあたり、松村としお市議団長は清水勇人市長に対し「物価高騰のなかで市民生活は厳しい。そこにこたえる予算をつくってほしい。財政は厳しいというが過去最高の基金をため込んでいる。財政を圧迫するのは大型開発と大型ハコモノ計画。市民負担増や市民サービス後退を招かないよう市長がハンドリングしてほしい。また市民プール統廃合や義務教育学校、ミニアリーナ建設など各地で市民から異論が出ている施策が多くある。市民の声を聞き、生かす市政運営をしてほしい」と求めました。

 

要望書を受け取った清水市長は「のちほど読ませていただきます」と答えました。  今後の議会論戦や市民運動と力をあわせて要求実現に全力でとりくみます。

池田めぐみが現場を歩く 「レジャープールの削減?」 ちょっと待った!!

原山市民プール

この夏、市内5つのレジャープールを視察。朝早くから浮き輪を持って集まる子どもたちのきらめく笑顔を見ていたら、絶対にプールを守らなければ!と強く思いました。

 

沼影では、さいたま国際芸術祭2023で上映されるドキュメンタリー映画の撮影も実施されていました。

 

5つの施設で年間3億6500万円の支出超過を廃止の理由にあげた市に対し、「プールの支出は、私たちにとっては市民サービス。大切なプールをなくさないでほしい」といった市民の言葉が響きました。

 

市民プールは、近くて安くて安心な、子どもの大切な居場所。

 

市民の声に寄り添うならば、一度、立ち止まって見直すことが求められています。

 

今が正念場!あらためてプールを守るよう、議会で求めていきます。

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